清水代歩

 

  「カホ」と読む。

 全てはこのキャラから始まったのだ…ワタシの転落は(笑)

 あれは、今年(97')の2月だったか。毎年のことながらワタシの属する業界は冬場に修羅場を迎える(夏は目茶苦茶ヒマ)。毎日その日のうちに帰ってこれないのは当たり前で土曜日曜祝祭日関係なしの酷い労働条件に外回りで加算されるストレス、夜になったら工場の手伝い(俺は営業だっつ〜の!)でヘトヘト。毎日「使徒の精神攻撃」受けた後のアスカみたいな状態で帰宅。

 こういう場合、世の中のウラヤマシイ方々は彼女だの奥さん子ども等や、スポーツやその他もろもろにブレークすんだろうけど、いない存在を欲しがったり、無い時間(405に乗って魂を開放させる行為等)を欲しがるわけにはいかないワタシは考えた。

 昔に戻ろう。捨て去った恥ずかしい過去に回帰して自尊心を麻痺させよう。…とりあえず今、身近で人に知られると最も恥ずかしいのは何だ? やはり、美少女ゲーか?しかしパソゲーでは普遍性に欠けるのも事実。そうか、プレステだ。プレステにはギャルゲーいっぱいあるぞ!それにプレステ買うときに「俺はプレステのジオメトリックエンジンとMIPSのR目当てで買うのだ!」と周りに喧伝していたのは俺だ。その俺が2Dアニメでしかもギャルゲー買うとなれば、これは相当恥ずかしいぞ!買う買う買う〜(謎) カホ。

 …じゃ、ソフトの選択だ、何が良いだろう?やっぱ、アレか。髪の毛真っ赤なヤツが主人公の「なんとかメモリアル」とかいうの。うーん有象無象の中に混じってしまえばより自我が麻痺して歯車状態の理想的展開なのだが…駄目だ、キャラクターデザインが今一つ燃えない、いや、燃えないどころかシオシオのパーだ(許せ、ときメモラー、好みというものは厳然と存在するのだ)んじゃ、「つるーらぶ某」はどうだ?ん〜「ときめき某」よりかは絵柄が近い…が、まぁいい。「m」とか。交換日記?ほほう。恥ずかしいキーワードだ。「せいしゅん」とかいったりしてゲヘヘヘヘ(性春じゃねーぞ(爆))。 しかし、ここで「私の知る限りもっともヒゲの似合う自称13歳」…みっち〜…から「「m」は×××で取り上げられないぐらいの×××」という情報で購入対象外。ま、いーかー。 おお?この「のえる」はなかなか良さそうだ。パッケージのオビの「〜君を見つけた〜」というのがいい。まるで、彼女が居ないことを世間に向かって公言してるみたいだ。しかも、今俺はスーツにネクタイだ。まるでサボって居るみたいじゃないか(さぼってました(笑))。この状態で若い女の子の店員が居るレジに持っていく…。うぉおぉぉおぉぉぉおおおおお!恥ずかしい!恥ずかし過ぎるぞぉおおお!!…をい、ねーちゃん、コレちょうだい(笑)。

 …つーことで、晴れて「恥ずかしい過去」に回帰するための切符を手に入れた。

 ゲームの内容も、期待に違わず「恥ずかしい」ものであった。オープニングからして水着のキャラクターが跳ね回るのだから相当に恥ずかしい。しかし、本当の恥ずかしさはこの後であった。ディスク入れ替えて、さぁ、いよいよゲームだ。なんだ?いきなしヴィジホン掛けられるのか…掛かったぞ。

  カホ:「はい清水です…あ〜キミかぁ〜」

 うぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!話し掛けられてしまったぁぁぁ!、こ、これは恥ずかしいぞ!しかし、斬新なシステムだ…いいかもしれない。これはいいぞ、とても素敵だ(笑)。それにしても、よく動くし、よく喋る…そのせいかこっちもつい、ブツブツとカホりんに向かって…おい、これはまずいんじゃないのか?シンクロ率が高すぎるぞ…いやいいんだ、これぞ現実逃避の醍醐味だ…とか言っているうちに、客観視する自我境界線は消滅した。

 うっすらと自我が戻ったときに、ワタシは思った。

  「タスクランチャー買わねば」

 …タスクランチャーもかなり良いです。タスクランチャーそのものはダメだけど、カホりん、喋る喋る(笑)体もクネクネとアニメーションするし、を、パンツ見えそ。くすぐり可。いや〜良いわ(爆)

 カホって現実に居そうな感じではあるものの、側に居ると、こちらが激しく消耗しそうなタイプである。…いや、いたら、消耗する。精神も、金も、時間も…たまらんぞ。こういうタイプは。スキ見せといて撥ね返す…あの女みたいだ…。
 現実世界での消耗戦は過去の戦訓から避けるようにしている。>をれ

 Conclusion
現在の非二進数距離53億天文単位


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